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2021.09.01

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非常事態への対応。準備と備えが大切です。

9月1日は防災の日です。また、2021年は2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」から丸10年です。帝国データバンクの調査によると、事業継続計画(以下、BCPと記載)を策定していると回答した企業の割合は17.6%で、企業別にみると大企業は32.0%、中小企業は14.7%でした(2021年5月調べ) 特に策定率が低い中小企業では、策定しない理由として、「必要性を感じない」、「自社のみで策定しても効果が期待できない」が、より高い規模を示しています。 今回は税制優遇や補助金の加点等の支援策が得られる、「事業継続力強化計画」認定制度についてお伝えします。「万一の状況に備えること」、「防災の知識を高めること」は、人も企業も「生き残ること」に繋がります。 1.自然災害に加えて、新型コロナウィルス等の感染症に対応「事業継続力強化計画」認定制度とは 中小企業・小規模事業者が、防災・減災に向けて取り組む計画を経済産業省が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた企業は、下記の支援策を活用できます。「事業継続力強化計画」認定制度は中小企業・小規模支援事業者の制度ですが、大企業のBCP策定や策定後の運用見直し等の参考にご活用下さい。 ①日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金) ②信用保証枠の追加 ③防災・減災設備への税制優遇 ④補助金の優遇措置 ⑤認定ロゴマークの使用 ⑥本制度と連携している企業・団体からの支援 2.BCPとの違いは? 巨大地震や台風等の自然災害や、新型コロナウィルス等の感染症のリスクに見舞われても、事業を継続するための計画がBCPです。事業継続力強化計画には、BCP策定時にも共通する重要な要素は組み込まれています。経済産業省が運営しているミラサポPlusによると、すでにBCPを策定済みの企業は、その内容を認定申請書用にその概要(要点)を記載すれば、事業継続力強化計画が策定(申請~認定)できるとしています。 3.計画書の策定について 「事業継続力強化計画策定の手引き」の5つの検討ステップに基づき、策定します。 STEP1:事業継続力強化の目的の検討 「何のためにこの取組を行うのか」を明らかにします。災害等発生時、自社はどう行動していくかという意思表明のようなもので、何を目的として事業継続力の強化を図るのかを検討し、記載します。 STEP2:災害等のリスクの確認・認識 ハザードマップ等を活用しながら、まずは事業所・工場等が立地している地域の災害等のリスクを確認・認識します。被害想定を基に、「ヒト(人員)」「モノ(建物・設備・インフラ)」「カネ(リスクファイナンス)」「情報」の4つの切り口から自社にどのような影響が生じるかを考えます。 STEP3:初動対応の検討 災害等が発生した直後の初動対応を検討します。以下の取組が求められます。 (1)人命の安全確保 (2)非常時の緊急(時)体制の構築 (3)被害状況の把握・共有 ▼ハザードマップポータルサイト 重ねるハザードマップ 洪水・高潮・河川氾濫等、自社の地域の状況と災害リスクを確認します。「ハザードマップポータルサイト 重ねるハザードマップ」に住所を入力し、洪水・津波等災害種別を選択すると災害別に確認ができます。 STEP4:ヒト、モノカネ、情報への対応 STEP2で検討したヒト、モノ、カネ、情報への影響を踏まえ、どのような対策を実行することが適当か検討します。例えば、以下の取組が考えられます。 (1)社員の多能工化を進める (2)設備の耐震化 (3)保険の加入 (4)バックアップデータの取得 STEP5:平時の推進体制 事業継続力の強化においては、平時の取組が大切です。平時から繰り返し取り組むことで、緊急時においても落ち着いて、適切に対応することができるようになります。平時の取組の検討にあたっては、以下の点に留意することが大切です。 (1)経営層の指揮の下、事業継続力強化計画の内容を実行すること(平時の推進体制に経営陣が関与すること) (2)年に1回以上の訓練を実施すること、そして取組内容の見直しを定期的に実施すること 具体的な記載方法や、申請方法は「事業継続力強化計画策定の手引き」をご確認下さい。また、事業継続力強化計画では、自然災害対策の計画に、感染症対策の計画策定も勧めています。サーモグラフィ装置の設置等、感染症対策の場合においても利用できる金融支援や税制措置があります。 防災・災害対策の課題解決で、何かお力になれそうなことがございましたら、お気軽にお声がけ下さい。